|
Intel C++ Compiler (インテル シープラスプラス コンパイラ)とはインテルが開発・販売しているC++コンパイラである。日本での販売・サポートはXLsoftが行なっている。略称はICC、あるいはICL(それぞれ、Linux/Mac OS X用およびWindows用コンパイラの実行プログラム名にもとづいている)。 == 概要 == インテルが自社の発売するCPUの性能を最大限発揮するために開発したコンパイラである。CPUの開発元が自ら開発しただけあって高い最適化能力を誇り、最新のCPUへの命令セットへの対応も非常に早い。バージョン11.1においては、次世代256ビット命令であるIntel AVXや、米国標準暗号方式であるAES命令セットがサポートされている。バージョン12.1において、AVX2命令をサポートしている〔インテル・コンパイラー12.1でサポートされたAVX2向けオプション | 最適化フォーラム | フォーラム | iSUS 〕。また、バージョン11においては、次期C++標準規格(C++11、旧称C++0x)で採用されることが予定されているラムダ式などの構文を早くもサポートした。バージョン14においては、主要なC++11機能をほぼ網羅している。ただしVisual C++コンパイラでサポートされているC++/CLIやC++/CXの機能は使用できない。また、Windowsストアアプリの開発にも使用できない。OpenMP規格はバージョン12.1においてOpenMP 3.1をサポートしている。また、バージョン14.0においてOpenMP 4.0の機能を一部サポートしている〔OpenMP * 4.0 Features in Intel C++ Composer XE 2013 | Intel® Developer Zone 〕。 最適化性能の面では、特にSIMD命令を使用した自動ベクタライズ機能が優秀であり、。ただし、自動化といってもコンパイラが判断可能であるような限定的な状況でしか適用されず、アセンブラや組み込み関数を使って手動で慎重にベクタライズされたコードの実行速度にはかなわないことが多い。 他にもプロファイル計測用バイナリを出力し、実際に運用することによりコードの実行状況のデータを収集し、それを元に最適化するプロファイリング機能や、OpenMPによる自動マルチスレッド化にも対応している。バージョン11からは1パッケージで多言語対応となった。 実行に必要なライブラリやリンカなどは付属していないため、他のコンパイラの環境に寄生した形で実行される。WindowsではMicrosoft Visual Studioが、LinuxではGCCが必要である。基本的にはコンソールアプリケーションであるが Visual Studio 向けのプラグインが存在するため統合開発環境でも利用が可能である。 コンソールでの利用=コマンドラインツールとしての利用のみであれば、無料版であるVisual C++ Express Editionがホスト環境として利用可能である。なお、Visual Studio 2010 Expressまでは、IA-32をターゲットとする場合は追加のSDKインストールは不要だが、Intel64をターゲットとする場合は別途追加のx64開発用SDKをインストールする必要があった(Visual Studio Express 2012 for Windows Desktop以降は追加のインストールは不要になっている)。 30日無料の評価版があり、使用日期限以外の機能制限は存在しない。正規のライセンスを購入すればそのまま製品版として使用できる。ライセンスには1年間のアップデート入手の権利があり、ライセンス停止後に最新版をダウンロードしてきても使用できないが停止前にリリースされたバージョンはそのまま継続使用できる。ライセンスは更新することによってアップデート入手の権利を保持し続けることが可能である。なお、Linux版では非商用目的に限り無償で使用できるバージョンが公開されている。 その性能の高さから特に画像処理、映像、音声・音響関係で使用される場合が多い。 なお、開発環境としてのWindows VistaおよびWindows Server 2003のサポートはバージョン14.0で終了した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「Intel C++ Compiler」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Intel C++ Compiler 」があります。 スポンサード リンク
|